日銀の仕組み

日本の中央銀行である日銀のことについて

日銀のデジタル通貨実験、第2段階へ

日銀は2022年4月にデジタル通貨の実証実験を第2段階へ移行させる方針で、21年春に着手した第1段階の実験を踏まえ、現金との交換や民間の決済システムとの連携などを中心に検証します。


デジタル人民元の実現を急ぐ中国や欧米など海外中央銀行の動向を意識しながら、発行上の技術的な課題や論点の整理を進めていくようで、15日開催の官民による連絡協議会で方針を示しました。
中央銀行が発行するデジタル通貨は、CBDCと呼ばれており、中国のほか欧州中央銀行(ECB)がデジタルユーロの導入準備を進めるなど開発の動きが加速しており、日銀は計3段階の実証実験を想定しています。


第2段階の実証実験では、保有金額に上限を設けたり、金利を付けたりする具体的な検証のほか、複数の口座保有やオフライン決済といった利便性向上に向けた取り組みも想定、実験用のウォレットアプリと接続し、技術的な課題の検証も視野に入れています。
なお実証実験の期間は現時点で未定となっています。


今春から始めた第1段階の実証実験では、コンピューターシステム上の実験環境をつくったうえで、電子的に発行したお金の送金や流通といった基本的な決済機能に不具合がないか検証を進めてきており、決済の処理能力なども検証、日銀によれば作業は予定通り進捗しているようで、内田真一理事は「各国でCBDCが現実的なオプションのひとつになってきている」と指摘し、日銀は現時点で具体的な発行計画を予定していないものの「発行しないことも大きな決断になってきている」としてデジタル化に向けた決済システムの構築を検討していく必要性を訴えています。

新生銀行、ESG配慮の劣後ローン

新生銀行が、環境・社会・企業統治に配慮する企業に対し、融資の一部を資本とみなす「劣後ローン」の提供を始めるのだそうで、総額200億円規模で、主に中小企業の利用を想定しているようです。


まずは、企業に二酸化炭素の排出量の削減目標などを定めてもらい、達成具合を随時確認するのだそうで、劣後ローンは融資期間が長いため、持続可能性を高める取り組みとの相性が良いと判断し、提供開始するようですね。

劣後ローンにこうした融資の手法を導入するのは国内で初めてとなるようで、融資を受ける際、企業は環境負荷の低減や人材の多様性の拡大といった目標を立てる必要があり、新生銀は融資期間中、取引先が目標を達成できるよう、継続的な対話を通じて支援するようです。


資金使途は、設備投資や運転資金などを想定、必ずしも目標の達成に直結する必要はなく、目標の融資期間は5年から10年で、金利などの貸し出し条件は通常の劣後ローンと変わりません。


劣後ローンで調達すると一部が資本と見なされることから、銀行から追加の融資が受けやすくなる利点があり、今年になってANAホールディングスなど大手企業による調達が相次いでおり、新生銀は中小企業を中心に数億円から数十億円規模の調達ニーズがあるとみており、需要に応じて貸出枠の増額も検討していくのだとか。

企業の物価見通し低下

日銀が発表した9月の企業の物価見通し調査は、全規模全産業の1年後の消費者物価予測が、平均で前年比0・8%上昇となり、前回の6月調査から0.1ポイント低下したようです。
3年後と5年後は、いずれも前回と同じ1.1%上昇でした。


日銀が発表した企業短期経済観測調査(短観)は、代表的指標である大企業製造業の景況感が3四半期連続で悪化しており、慎重な景気判断が続き、値上げで顧客離れを招くとの警戒感は根強く、2%の物価上昇目標実現への道筋は険しそうですね。


大企業の1年後の予測は、製造業が前回と同じ0.6%上昇、非製造業は0.1ポイント高い0.7%上昇となり、製造業の3年後と5年後は、ともに横ばいの0.8%上昇。
非製造業の3年後は0.1ポイント高い0.9%上昇、5年後は横ばいの0.8%上昇だった。


足元の景況感は高い水準にあるものの、機械や自動車などの企業は貿易戦争を不安視しているようですし、増税のことも考えると日本経済がちょっと不安になってきますね。