日銀の仕組み

日本の中央銀行である日銀のことについて

政府の金庫番

日本政府は日銀に当座預金口座を持っており、この口座を通じ、制菌の収納や公共事業や年金の支払い、国債に関する入出金などの国の様々な資金の受払いに関する業務を行っています。

金庫



この政府の当座預金口座にある国の資金は政府預金として預けられていて、この国の資金のことを国庫金と呼んでいます。


とはいえ、この国庫金は、国に関わるすべての入出金に関わっていて、取引の種類や件数があまりに膨大となっているため、国庫金の受払いを行う代理店を全国の民間金融機関に委嘱しています。


この代理店にもいくつかの区分があって、国の官庁と取引を行い、国庫金の受払い、国債の元利金の支払いなどの事務を取り扱うのが一般代理店、国庫金の受け入れのみを扱うのが、歳入代理店・歳入副代理店といい、国庫金の受け入れのみを扱うのが、国債代理店・国債元利金支払取扱店となっています。

銀行の銀行

日銀は民間の銀行などの預金を当座預金口座で預かり、この口座を使って預金・貸付の取引や債券・手形の売買に関する決済を行っています。


私達が民間銀行にお金を預けるように、民間銀行は日銀にお金を預けているわけですね。
ちなみに、都市銀行・地方銀行協会加盟行・第二地方銀行協会加盟行・信託銀行・外国銀行在日支店・信用金庫(預金残高1,600億円超の信用銀行のみ)・農林中央公庫などの金融機関は受け入れている預金などの一定比率以上の金額を日銀に預け入れることを義務付けられています。


このことを準備預金制度というのですが、1957年に施行された「準備預金制度に関する法律」という法律に基づいて運用されています。


市中銀行は、私達のような一般人から預金を受けると、そのうちの一定割合の額を、一定の期間、日本銀行に預けなければならないとされています。


これが準備預金額といって法定準備預金額といい、この法定準備預金額以上の金額を日本銀行に預けることで、法定準備額を超えた分の準備預金のことを超過準備額と呼ばれています。


さて、この当座預金口座の役割なのですが、日銀から発行された通貨は、まずこの日銀の当座預金口座を通じて民間銀行などに流れることになります。


そして民間銀行などに流れた通貨が個人や企業へと流れていくのです。

日銀は発券銀行


日本銀行法第1条には、以下のように書かれています。

第1条  日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。


2 日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。

日銀には、日銀券という紙幣を発行するという重要な働きがあり、この発行する紙幣に対し価値を与え、円滑に使われるようにする役目があります。


日銀券なんていうと「なんじゃ、そりゃ」なんて声も聞こえてきそうですが、これはいわゆる日本銀行券(にほんぎんこうけん)といって、日本銀行が発行する紙幣のことです。


まぁ、乱暴な言い方をすると、ただの紙きれに、簡単に偽造されないよう精巧な印刷を施したものが日銀券で、この紙切れに価値を与え管理しているのが日銀なのです。


このように、日本銀行は、私達が日頃馴染んでいる「銀行」とは異なる性質、仕事を持っており、日本の経済の基礎となる部分ですから、どのような銀行なのか、またお金の動きの仕組みなどを知っておきたいものです。